福部童子祭 ~かなしくやさしいお話~
2009年8月29日
皆様こんにちは。
夏もようやく終わりに近づいて、台風の季節がやってまいりました。
先日山口を襲った豪雨災害の教訓を生かして、
台風なんぞに負けない山口であります。
さてさて、少々更新が遅くなってしまいました、反省。。。
今回はちょっと珍しいお祭りをご紹介します。
「福部童子祭」といいます。
そのお祭りはちょっとかなしい出来事から生まれたお祭りです。

むかしむかし、福部童子(ふくべどうじ)という、
それはそれはやさしい心をもった男の子が、
京の都にさみしく住んでおりました。
なぜさみしいかというと、
福部童子のお父様であられる菅原道真(すがわらのみちざね)公は、
遠く離れた大宰府というところに、
いわれのない罪で追放されてしまったからです。
「お父様に会いたい・・・お父様に会いたい・・・」
11歳の福部童子はいてもたってもいられなくなり、
とうとう、遠く離れたお父様の所に行こうと決心し、
京の町を出て、西へ西へと旅だったのでありました。
山を越え河を渡り、小さな福部童子は力をふりしぼって、
一生懸命小さい足を前に進めて、お父様の住む大宰府に向けて歩きました。
そしてとうとうここ山口までたどり着いたのも束の間・・・
小さな福部童子は旅の疲れで病気になってしまったのです。
「お父様に会いたい・・・お父様に会いたい・・・」
そのことを知った菅原道真公は山口へ行かねば・・と思いますが、
見張りの兵士がいるために外に出ることができません。
そこで菅原道真公は考えました。
そして自分の姿を写した御簾(みす)を作り、
「せめて息子にこれを渡しください。どうか息子に私に会うために無理をせずに、早く元気になっておくれと伝えてください」
といって使いの者に渡しました。
使いの者は病気で苦しむ福部童子にこの御簾を渡しました。
福部童子が御簾を広げてみてみると・・・
なんと御簾の向こうに大好きなお父様が座っているではありませんか!
「御簾越しにでもお父様に会えてよかった・・・」
福部童子は御簾の向こうに座るお父様に見守られながら、
8月26日に、ここ山口で、その短い生涯をとじたのでありました。
以来山口では、
毎年8月26日に「福部童子祭」を行って、
福部童子のやさしく美しい心を悼むとともに、
地元の子供たちが、すくすくと元気に育つことを祈念してきたのであります。
お祭りでは焚き火をして尻をあぶると病気をしないという、
「尻あぶりの神事」の風習があります。
今年も1107回目の「福部童子祭」が、
子供たちの元気な掛け声とともに行われました。

注:
このブログに載せました福部童子のお話は、
宮司様からお聞きしたお話と福部童子の祠にある説明書きを元に、
私が文章として再構築したものです。
内容、表現等につきましてはすべて私の文責であります。




